01 — 全体像
1本のファネル。
でも、段ごとに仕事は違う。
各段には「いま何人いるか」という母数と、「次の段へ何%進んだか」という転換率があります。成長させるには、どちらを動かすのかを分けて考えます。
THE TWO LEVERS
母数を増やす。転換率を上げる。
「人が足りない」のか、「来た人が次へ進めていない」のか。ここを混ぜると、広告でオンボーディングの問題を隠したり、UI改善で認知不足を解決しようとしたりします。
02 — アッパーファネルから始める
知られなければ始まらない。
でも、知られるだけでも進まない。
認知、App Store表示、ダウンロード。上流だけでも、段が変われば改善対象は変わります。
認知 → App Store表示
認知した人 → 商品ページを見た人
認知の母数を増やす
検索露出、SNS、記事、口コミ、広告、App Store内ブラウズ。まず「知られる回数」を増やす。
クリック率を上げる
検索結果で見えるアイコン、アプリ名、短い約束。誰向けで何が得られるかを一瞬で伝える。
App Store表示 → ダウンロード
商品ページを見た人 → ダウンロードした人
質のよい来訪を増やす
検索語や投稿の約束と、商品ページの内容を合わせる。広い流入より「期待が一致した流入」。
ストアCVRを上げる
1〜3枚目のスクリーンショット、プレビュー、レビュー、価格、説明。機能一覧より利用後の変化を見せる。
App Storeリンク: ?pt=XXXX&ct=x_launch_01&mt=8自分で配るリンクにはキャンペーン名を付けます。流入量だけでなく、その後のダウンロードや継続の質まで入口別に比べられます。
03 — ダウンロードの次
インストールは成功ではない。
価値に触れて、初めて前進する。
ここで計測はApp Store Connect側からFirebase / GA4側へ移ります。数字を個人単位で無理につなげず、同じ期間の段として見ます。
App Store Connect
- 表示・商品ページ閲覧
- 初回DL・再DL
- ソース・キャンペーン
Firebase / GA4
first_open- オンボーディング
- 最初の価値体験
初回起動 → 最初の価値体験
アプリを開いた人 → 価値に触れた人
初回起動を取りこぼさない
ダウンロード後すぐ使える状態、クラッシュ防止、重い初期処理の短縮。ストアとアプリの約束も揃える。
Time to Valueを短くする
説明を読む前に試せる、権限要求を遅らせる、空画面を作らない。コア体験までのタップを削る。
まずは動画・配信を合わせる
チャンネルを選ぶだけで、最新動画や配信予定がこの部屋にまとまります。
- 候補からチャンネルを選ぶ
- 最新コンテンツが自動で並ぶ
「ガイドを見た」ではなく、
「推しの動画が並んだ」を測る。
ガイドの表示やボタンタップは途中経過。本当に測りたいのは、チャンネルが選ばれ、最新動画が並び、「使う意味」が見えた瞬間です。
guide_viewed→channel_selected→content_loaded04 — 価値体験から購入へ
先に便利さを知ってもらう。
値段の話は、そのあと。
購入率だけを上げようとして、初回起動直後にペイウォールを出すと、価値を知らない人に価格だけを見せることになります。まず「これなら使いたい」という小さな成功を作ります。
価値体験 → 購入
便利さを理解した人 → お金を払った人
価値体験の回数を増やす
一度きりではなく、保存・作成・再生など「もう一度使いたい」場面をアプリ内に作る。
価格と価値を接続する
価値を感じる前に売らない。何が解放され、生活がどう変わるかを示し、適切な瞬間に購入を提案する。
05 — サブスクなら、購入後が本番
売れたかではなく、
来月も価値が続くか。
買い切りなら購入が大きな到達点です。サブスクリプションでは購入は新しいファネルの入口。継続率、解約、復帰をコホートで見ます。
約束した価値がすぐ始まる
繰り返す理由と通知の適量
支払い以上の価値が残る
改善・新機能・再開しやすさ
購入者数を増やすだけでなく、初月に十分な価値を受け取れた購入者を増やす。
定期的に戻る理由、蓄積されるデータ、新しい価値、適切な通知で更新の意味を作る。
価格、使わなくなった、期待との不一致を分ける。全部を「高い」でまとめない。
解約を終点にしない。再開時に設定や履歴が残り、すぐ価値へ戻れるようにする。
06 — 実装するなら
最初は、意思決定に必要なイベントだけ。
- 各段の母数を定義する
認知、商品ページ、DL、初回起動、価値体験、購入、継続。
- 価値体験を1文で決める
「ユーザーが初めて○○できた状態」。画面表示ではなく成果で書く。
- Firebase DebugViewで確認する
イベント名とパラメータが意図どおり届くか、実機で見る。
- GA4のファネル探索に並べる
first_openから価値体験、購入、継続までを置く。 - 入口またはコホートで分ける
キャンペーン、初回起動週、プランなど、仮説に近い1軸から比較する。
- 1回に1つの段を直す
母数か転換率かを決め、変更前後を同じ条件で見る。
ファネル分析は、すべてを一度に改善する道具ではない。
次に直す1段を決めるための道具だ。
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